【基本情報】アソーレス諸島
- 2024年6月20日
- 読了時間: 11分
更新日:2024年6月25日

現在、私が住んでいるポルトガル マデイラ島 ( Madeira ) と アソーレス諸島 ( Açores ) 。
日本ではまだまだ知られていない場所ですが、リスボンやポルトがあるポルトガル本土とはまた違った魅力がたくさんあります。
今回は、アソーレス諸島がどんな場所にあって、どんなところなのかをまず知ってもらうために、基本情報をお伝えしていきます。
アソーレス諸島

アソーレス諸島は大西洋の中央に位置するポルトガル領の 9つの島から成る群島 です。
大西洋中央海嶺とホットスポットが重複した位置にあるので、基本的には 火山島 となっています。
また、西経25度〜31度という位置にあることから、ポルトガル本土やマデイラ島よりも 1時間遅い 時間になります。
アソーレス諸島MAP▼
諸島の呼び方
日本では、アゾレス諸島 と呼ばれているのが一般的ですが、ポルトガルでは、ポルトガル語の アソーレス と呼ばれています。
アゾレス諸島とアソーレス諸島。
どちらが正しい言い方とかはないのですが、アゾレス諸島は英語の Azores 読みで、アソーレス諸島はポルトガル語の Açores 読みになります。
諸島内では、ヨーロッパ各地から観光客が多く訪れることもあり、Azores表記も多くなってきています。
諸島内では、AzoresでもAçoresでも通じるのですが、本土やマデイラ島のポルトガル人にはAzoresと言っても通じないことがあるので、Açores読みも覚えておくといいです。
アソーレス諸島の政治的主体としての名称

アソーレス諸島の政治的主体としての名称は、アソーレス自治地域 ( Região Autónoma dos Açores ) と言います。
アソーレス諸島の島の名前
アソーレス諸島の9つの島の名前は
です。
9つの島全てに人が住んでいます。
9つの島は、3つに大別されていて
となっています。
サン・ミゲル島

サン・ミゲル島 ( São Miguel ) は、アソーレス諸島最大の島 であり、主都の ポンタ・デルガーダ ( Ponta Delgada ) がある島です。
ポンタ・デルガーダはアソーレス諸島の人口の 3分の1以上が集中する 最大の都市です。
アソーレス諸島最大の空港と港もポンタ・デルガーダにあります。


ポンタ・デルガーダの空港は、リスボンやポルトのポルトガル本土から空港便が発着するほか、イギリスやアメリカなどからも直行便が発着しています。
アソーレス諸島の他の島にも定期便が就航していて、観光の拠点にもなっています。
観光客が多く集まる場所でもあるので、仕事を求めて、他の島からやって来る人も多いです。
アソーレス諸島で安定した気候
サン・ミゲル島の気候は、アソーレス諸島の中でも1年を通して1番安定している島だと言えます。
ですが、冬は場所によっては強風が吹き荒れて、けっこう寒い日もあります。
そうは言っても、アソーレス諸島の中では安定している気候なので、パイナップル ( ananás )、パッションフルーツ ( maracujá )、お茶 ( chá ) の栽培が盛んです。
サン・ミゲル島のパイナップルとお茶
サン・ミゲル島で栽培されているパイナップルは、小ぶりですが、果汁がたっぷりで甘味があり 美味しいです。

サン・ミゲル島のパイナップルは、他のアソーレス諸島の島やマデイラ島とポルトガル本土にも輸出しています。
パイナップルはハウス栽培をしていて、パイナップルのハウスでスパなんかもやっています。
お茶も栽培していて、ヨーロッパで唯一のお茶の栽培地 とされています。
ブラックティー ( chá preto ) と グリーンティー ( chá verde ) が名産です。
お茶を栽培しているので、もちろん茶畑があるのですが、ヨーロッパなのになんだか日本の風景のようで、親近感が湧きます。
現在も活動している火山がある
サン・ミゲル島は 火山島 です。
島には、いくつかカルデラがあり、カルデラ湖となっている場所もあります。
サン・ミゲル島のカルデラ湖は有名で、人気観光スポットの1つです。
カルデラ湖もあるのですが、現在も活動している火山があり、温泉が出る場所もあります。
温泉が出る場所は、フルナス ( Furnas ) という地域で、現在も2つの火山が活動しています。

町は煙がもくもくと立ち上がっています。

温泉が出るので、フルナスには宿泊できる温泉施設があり、世界中の人が癒しを求めにやってきます。
サンタ・マリア島

サンタ・マリア島 ( Santa Maria ) は、アソーレス諸島 最南端 の位置にあります。
最大の町は ヴィラ・ド・ポルト ( Vila do Porto ) で、島全体の人口 約5,000人 のうち、約3,000人がヴィラ・ド・ポルトに住んでいます。
天気によっては、サン・ミゲル島のポンタ・デルガーダからもサンタ・マリア島が見えることがあります。
陽のあたる島
サンタ・マリア島の気候は暖かく乾燥しているため、植物が黄色みがかって乾燥しています。
植物が黄色みがかっていることから、サンタ・マリア島は 陽のあたる島 として知られています。
暖かく乾燥している気候なので、砂漠もあり、「 赤い砂漠 」として知られている バレイロ・ダ・ファネカ ( Barreiro da Faneca ) が有名です。
バレイロ・ダ・ファネカは 赤みを帯びた色合いから明るいオレンジの色合い を持つ、乾燥した粘土質になっています。
ハイキングコースもあり、観光スポットとしても人気のある砂漠です。
グラシオーザ島

グラシオーザ島 ( Graciosa ) は、「 魅惑的な 」という意味を持つ島で、ユネスコにより 世界生物圏保護区 に指定されています。
自治体は、サンタ・クルース・ダ・グラシオーザ ( Santa Cruz da Graciosa ) の1つだけになります。
島の光景は、牧場の緑と家の壁の白さが混ざり合った美しいコントラストです。
グラシオーザ島は
などがあることから、白い島 としても知られています。
グラシオーザ島のカルデラ
グラシオーザ島は、島全体が大きな 成層火山 で、島の南部は 1.6km の広さの カルデラ が占めています。
カルデラは カルデイラ・ダ・グラシオーザ ( Caldeira da Graciosa ) と言い、グラシオーザ島を象徴する風景となっています。

カルデラのクレーターは 地域天然記念物 にも指定されていて、大きく美しいクレーターには「 魅惑のマリア洞窟 」と言われる フルナ・ダ・マリア・エンカンターダ ( Furna da Maria Encantada ) と「 硫黄の洞窟 」と呼ばれる フルナ・ド・エンソフレ ( Furuna do Enxofre ) があります。
風車と灯台とスパ
グラシオーザ島では、ベルギーのフランドル地方の影響を受けた 赤い丸屋根の風車 もあちこちで見られます。

今は風車として使われていませんが、昔は穀物が豊富に生産されていたことを物語っています。
現在は、風車を利用したホテルとして活用されています。
風車も特徴的ですが、グラシオーザ島の住民が「 アソーレス諸島で最も背の高い灯台 」 であると主張する ポンタ・ダ・バルカ ( Ponta da Barca ) の灯台もひときわ目立つ存在です。
カラパショ ( Carapacho ) という町には、天然のプールや温かくヒーリング効果のあるスパもあります。
テルセイラ島

テルセイラ島 ( Terceira ) は人口約56,000人、面積は396.75㎢の アソーレス諸島で3番目に大きな島 です。
テルセイラ島の島の名前の由来は、ポルトガル語で 数字の3 を表す três ( トレス ) からきています。
アソーレス諸島で3番目に大きな島だからというわけではなく、3番目に発見された島 であることから名付けられました。
主な街は アングラ・ド・エロイズモ ( Angra do Heroísmo ) です。
歴史的な景観が残る街

テルセイラ島はアソーレス諸島の中で、3番目に発見された島ですが、 アソーレス諸島で最初の主都が設立された島 でもあります。
現在、アソーレス諸島の中心はサン・ミゲル島のポンタ・デルガーダですが、かつては、テルセイラ島のアングラ・ド・エロイズモが中心でした。
アングラ・ド・エロイズモの中心部には、大聖堂をはじめ、18世紀までに築かれた歴史的な景観が残っているので、ユネスコの 世界遺産 に登録されています。
闘牛と祭りの島
テルセイラ島は、別名 闘牛の島 や 祭りの島 などと呼ばれています。
闘牛の島と呼ばれる理由
5月〜10月は闘牛シーズンで、町の至るところで闘牛を見ることができるほど有名だからです。
闘牛場で行う闘牛もあるのですが、テルセイラ島で有名な闘牛は、町に牛を放して町中で行う闘牛が有名です。
町中で行う闘牛は誰でも参加できるので、勇気がある方は参加してみるのもいいと思います。
ですが、毎年ケガをする人が続出しているので、ケガにはお気をつけください。
祭りの島と呼ばれる理由
年間を通して、宗教的な祝祭や伝統的な祝祭が多く行われるので、祭りの島と呼ばれています。
テルセイラ島は、闘牛があったり、お祭りも多いので年間を通して楽しめる島です。
サン・ジョルジェ島

サン・ジョルジェ島 ( São Jorge ) は断崖、険しい岩山、ファジャンス ( fajãs ) の島です。

サン・ジョルジェ島には40以上もファジャンが存在しているので、 ファジャンスの島 というあだ名も付けられています。

晴れている日は、ピコ島とファイアル島が見えます。
チーズの島
アソーレス諸島は酪農が盛んで、ほとんどの島でチーズが作られていますが、サン・ジョルジェ島はアソーレス諸島の中でもチーズ工場がたくさんあり、アソーレス諸島最大のチーズ工場 もあるほど、チーズ作りが盛んです。
地名を冠した ケイジョ・サン・ジョルジェ ( Queijo São Jorge ) というチーズが有名で、EUによる 保護産地呼称認証 を受けたチーズになります。
ポルトガル全国のスーパーマーケットなどでもサン・ジョルジェ島のチーズは購入できますが、ヨーロッパ各国やアメリカにも輸出しています。
ピコ島

ピコ島 ( Pico ) はアソーレス諸島で 2番目に大きな島 でポルトガル最高峰の山である ピコ山 ( Montanha do Pico ) のある島です。
ワインの産地としても有名です。
ピコ山
ピコ山は 標高2,351m あり、ポルトガル最高峰の山です。
また、大西洋で3番目に大きいとされている 火山 でもあります。
登山もできて、頂上から朝日を見るために訪れる観光客も多いです。
ピコ島のブドウ畑とワイン
ピコ島のワインは ヴィーニョ・ド・ピコ ( Vinho do Pico ) と言い、優れた品質で知られています。
ワインを作るために必要なブドウを栽培している畑もユニークで有名です。

ピコ島のブドウ畑は、溶岩を積み上げた伝統的な石垣 で風をよけ、溶岩の割れ目に苗木を植えて地面に這わせる という独特な畑です。
ピコ島のブドウ畑は、独特の文化と景観から、2004年にユネスコの 世界遺産 に登録されました。
ワイン作りはミネラルたっぷりの溶岩で育てられたブドウを手作業で収穫し、足踏みによる伝統的な方法で果汁を搾り出して作っています。
ファイアル島

ファイアル島 ( Faial ) はアソーレス諸島の中部にある島で、面積は約172㎢です。
ファイアルという島の名前は、多くの ブナの木 があったことから、ポルトガル語でブナの木を意味する ファイアス ( Faias ) という言語が由来となっています。
ファイアル島は、島の名前の由来となったブナの木もさることながら、青い紫陽花 も多く咲いていて、島中が美しい青色で彩られることから ブルーアイランド というあだ名が付けられています。
ファイアル島の港
ファイアル島は17世紀以降に大規模な開発が行われ、ヨーロッパとアメリカ大陸の間の安全地帯という地理的位置のため、重要な商業港 となりました。
現在は、大陸間の通信ハブとなっていて、国際ヨット競技の必須基準値 となっています。
東岸の オルタ ( Horta ) では大西洋横断ヨットの寄港地として多数のヨットが係留されるので、ホテルやレストランが建ち並んでいます。
フローレス島

フローレス島 ( Flores ) は花が豊富に咲いていることから、ポルトガル語で 花 を意味する フローレス ( Flores ) と呼ばれています。
島の名前とは裏腹に、地形は ギザギザとしたとても険しい海岸線 を特徴としています。
アソーレス諸島で1番自然が豊かな島
フローレス島は花がたくさん咲いているだけではなく、別名「 水の島 」と言われるほど、滝や湖、泉があります。
フローレス島の中でも リベイラ・グランデ ( Ribeira Grande ) の滝が有名で、20もの滝と300mの高さから流れる滝は圧巻です。
滝から流れ落ちる水の1部は、大西洋に直接流れ込みます。
コルヴォ島

コルヴォ島 ( Corvo ) はアソーレス諸島の中で 1番小さな島 で、面積はわずか 17.1㎢ です。
小さな島ではありますが、中心部には広く美しいクレーターがあります。
コルヴォ島は島の中を散策して楽しむよりも、島の周りを回るボートツアーの方が楽しめます。
ボートツアーでは、島の最も近づきにくい場所の風景や何百、何千という海鳥、クジラやイルカの姿まで見ることができます。
アソーレス諸島は9つの島それぞれが自然が豊かで、魅力がたくさん詰まっている場所です。
町も美しい自然の景観を損なわないように、高い建物はほとんどないので、町からでも美しい景色が見られます。
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